ARES/AutoCAD対応:図面容量を1/10にする実務テクニック
ARES は軽快とはいえ、建築・土木の大規模図面では中スペックPCで動作が重くなることがあります。
本記事では、図面を分割管理して処理を劇的に軽くする 「外部参照(XREF)」 の実務的な使い方を紹介。
10MB → 1〜2MB まで容量を圧縮できるケースもあり、特にハッチング・画像が多い図面で効果大。
最後に、納品で役立つ「バインド」「eトランスミット」もまとめています。
※ 「外部参照(XREF)」 の実務的な使い方は、初心者向けの「基本講座」ではなく、実務レベルの「応用講座」の中で扱う内容です。
建設業務の大規模図面やチーム作業の際に重要となるため、基礎操作を習得してから学ぶことを前提としています。
目次
■ 外部参照(XREF)とは?
外部参照は、別ファイルの図面を読み込んで表示するしくみです。
ARES では [参照管理パレット] から簡単に挿入でき、部品図・表・詳細図・写真・現況図などを分割して管理できます。
外部参照を使うメリット
- 作業が軽くなる:編集する図面ファイルが小さくなる
- PC負荷を抑えられる:必要なファイルだけ読み込む
- トラブル防止:誤編集を避け、データの整合性を保ちやすい
- ハッチング・画像に特に効果的
■ 外部参照すべきファイルの目安(実務基準)
土木図面で中スペックPCを使用する場合、体感として以下が基準になります。
| データ容量 | 体感速度の目安 |
| 〜10MB | 快適に動作 |
| 10〜30MB | やや重くなる場面あり |
| 30〜50MB | 重くなる可能性大 |
| 50MB以上 | フリーズ・クラッシュの危険 |
特にハッチング・画像・文字量が多い図面は、外部参照で分割するだけで処理が大幅改善します。
■ 実例:外部参照による容量削減
ファイル容量が10MB以上の場合は、外部参照使うとPCが軽くなる!
- 外部参照なし:計画図+現況図 → 28MB
- 外部参照あり:計画図本体 → 1.7MB
→ 約1/16 まで軽量化!
① 外部参照使わない場合。計画図+現況図(ファイル容量:28MB)

② 外部参照使用する場合。計画図(ファイル容量:1.7MB)

③ 外部参照使用する場合。現況図(ファイル容量:28MB)

④ 外部参照使用する場合。計画図+現況図(ファイル容量:1.7MB)

■ 外部参照の使い方(ARES)
1.[参照管理パレット]を開く
2.[外部参照を追加]をクリック
3.参照する図面(DWG)を選択
4.読み込み設定(パス/挿入位置/スケール)を確認
5.必要に応じて アタッチ/オーバーレイ を選択
※建築・土木は“オーバーレイ”が無難(循環参照の回避)
■ 納品時の「バインド」「eトランスミット」
外部参照のままではファイルが分かれた状態なので、印刷入稿・外部納品では以下を活用します。
● バインド
外部参照を図面に取り込み、1つのDWGにする方法。
レイヤーが増える点に注意。
● eトランスミット
外部参照・フォントなどをひとまとめに圧縮して送れる便利機能。
受け渡しミス防止に最適。
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