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排水の考え方と高さ・勾配の決め方【土木製図の基礎知識】

排水の考え方と高さ・勾配の決め方【土木製図の基礎知識】

土木製図の基礎知識 シリーズ

目次

1.排水の考え方

道路や敷地に雨が降ると、そのままでは水たまりや冠水が発生します。
そこで、「雨水を集めて、流し、処理する」仕組みをつくるのが排水計画です。

排水の基本的な流れは次のとおりです。

  1. 路面勾配で雨水を片側へ集める
  2. 側溝(開水路)で水を受け流す
  3. 集水桝・排水管を通して、下流の幹線へ
  4. 最終的に河川や下水処理施設へ放流

ポイント:「どこに水を集め、どうやって安全に流すか」をあらかじめ設計しておくことです。

2.高さと勾配の基本

1. 高さの基礎用語

  • 地盤高(GL):道路や敷地の表面の高さ
  • 管頂(クラウン):排水管の上端
  • 管底(インバート):排水管の下端(実際に水が流れる高さ)
  • 土被り:地盤表面から管頂までの覆いの厚さ

2. 勾配の考え方

  • 勾配は「1/n」で表すことが多く、例えば 1/200 = 0.5%
  • 下流の管底は、
    上流の管底 − 勾配 × 延長
    で計算します。

ポイント:これにより、排水管や側溝を「自然に下がっていく流れ」に設計できます。

初心者への目安

  • 道路横断勾配:おおよそ 2%
  • 側溝の縦断勾配:1/100~1/300 程度
  • 排水管の土被り:車道下で 1.0 m 以上が一般的
  • 流速の目安:0.6 m/s 以上で堆積を防止

👉 詳細な数値や設計基準は地域ごとの指針に従いますが、まずは「高さと勾配を意識して水の流れを描く」ことが土木製図の第一歩です。

まとめ

  • 排水計画は「雨水をどこに流すか」を決めることから始まる
  • 側溝や排水管の高さと勾配を正しく決めることが重要
  • 初心者はまず「地盤高」「管底」「勾配」の関係を図で理解するのが近道

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