目次
1.縮尺の基本
縮尺(Scale)とは、図面上の寸法と実際の距離の比率を表したものです。
- 例:1/500 → 図面上の1cmが実際の5m(500cm)を表す。
- 土木設計でよく使う縮尺:
- 1/500(詳細な道路・宅地計画)
- 1/1000(一般的な道路計画図)
- 1/2000(広域計画、路線図)
ポイント:CAD上では縮尺の設定を間違えると、印刷時や他データとの統合時に位置・寸法が合わなくなります。

上図は、尺度=1/500の道路改良図(平面図)です。
2.座標変換の必要性
図面データを扱う上で、異なる座標系や単位系を変換する必要があります。
- 世界測地系(WGS84)⇔ 日本測地系(旧測地系)
→ 日本測地系は現在ほぼ使われませんが、古いデータでは変換が必要。 - 平面直角座標系の系番号違い
→ 日本全国を19エリアに分割した座標系。別系のデータを統合する場合は変換が必要。 - ローカル座標系 → 公共座標系
→ 工事現場独自の座標から公共座標へ合わせる。
3.CADでの座標変換方法(例)
AutoCAD / ARES / Jw_cad 共通の流れ
- データを開く
- 原点(0,0)の位置を合わせる
- 単位を確認・設定(m、mm など)
- 必要に応じてスケール変換(例:1.000→0.001)
- 系番号や緯度経度情報の変換(GISや変換ツールを併用)
4.変換ミスの実例と注意点
例:1000mの道路で10cmずれるケース
- 原因:縮尺誤設定、座標変換時の単位ミス
- 防止策:座標の基準点・単位を必ず事前確認
5.平面直角座標系のイメージ(日本19系)

(出典:国土地理院)
各系の境界を理解し、データの「系番号」が合っているか確認しましょう。
まとめ
- 縮尺と座標変換は土木CADの必須スキル。
- 公共工事や電子納品では特に厳密な管理が求められる。
- 実務では、座標系・縮尺・単位の3つを常にセットで確認する習慣をつけましょう。
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